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書いた人:識

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小説

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書きかけのメモが残っている

ひとけのないCBG隊員室。エランが卓上に見付けたのは、その辺にあるようなメモ帳の切れ端だった。インクの滲みや広がりからして、万年筆によって書かれたものだと分かる。確かめるまでもない。風来坊の手跡だった。  拾い上げて近寄せる。特に内容は重要なものでもない。タスクリストのようなものか。それらは横書きで並んでいる。    博士に本返す    オイル補充・短期メンテ    嬢ちゃんの新しい靴下    エランに  四行め、途中。書いているときに何かあったのか、そこで中断されている。メモも持って行かずにいなくなったということは、緊急出動でも起きたのだろうか。過去にやってくるタイミングが少々悪かったかもしれない。 「……わたしに、何だというのですか」  誰もいないから、だろうか。緩んだところで疑問の呟きが漏れた。静かな部屋に、声だけが余韻を滲ませる。  大したことはないはずだ。この並びで、とんでもないことを予定している訳もない。本の貸し借りがあって、自身の身体に関することがあって、親しい相手──自分のことだ──の娘の靴下のことを考えて。  自分で自分を『親しい相手』と表すことにむずむずしてきて、首を横に振る。隔靴掻痒(物理的な、語源の方だ)とはこういう感じがするのだろうか。何気なくブーツの爪先を見下ろした。 「っ、」  と、足元にもうひとつ。視界の中にブーツが増えていた。茶色のそれは見慣れたもので、後ろを振り返れば風来坊が部屋へと戻ってきていた。 「風来坊さん」 「よう。驚かせちまったかい?」 「いえ、……まあ、少し。用事は終わったのですか」 「そうだな、ちょっとしたことさ。なんだい、どこか出掛けてえのか?」  出動ではなかったようだ。たまたま席を外していただけか。何の用事だったのか、こちらに何をするつもりだったのか、いつもなら何でもないように、他意なく問いただせるだろうに、何故か躊躇ってしまった。  と、エランが持ったままのメモ帳を見て風来坊は少し目を見開く。 「あれ、そいつぁ俺の……」 「メモですね」  差し出すが、風来坊はのろのろと不思議そうにそれを受け取って。書かれたものを視線で撫で、読み上げて。 「そうそう、やらなきゃいけねえんだった」  ……メモリーが不調なのか。  答えを聞き出すこともできず、エランは密かに溜息を吐く。気付かれないように。 「なあ、エラン」  呼ばれて顔を上げる。晴れやかな笑みがあった。息をすることを、瞬間、忘れる。 「デートしようぜ」 「……それがわたしにすることでしたか?」 「違うだろうけどよ。一緒にいたら思い出すだろ」  …………悪くはない。寧ろ嬉しい、のだが。  答えを聞けなかったことに不満は残るから、そっぽを向いて不承不承頷いた。

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ひとこと

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風エラ会開催、ありがとうございます! 識です。いつもお世話になっております。左のアイコン、めちゃくちゃ風来坊じゃないですか? 帽子の眼鏡。

今回、プレーリーカードというものを入手し、Webオンリーの布教ができる! と喜んだり、読み取ってくださった方にだけ公開するページを作れば良いのでは? と新たなテロを閃いたり、バタバタと楽しく準備しました。

会合を皆さんが存分に楽しまれますように!

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各種リンク

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識(@X70FE)

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